9.スピードカメラ

「スピードカメラは交通事故の原因となっているかもしれない」という報道の真偽を検討する。スターターキットもご活用ください

学習の流れ

教材の概要

 数学は政策決定に公正さをもたらし得る。
「スピード・カメラは交通事故を減じることができるか,できないか。」
まず,子どもたちは,「スピード・カメラは交通事故の原因かもしれない」というメディアの報道をもとに,統計や確率,データを使っての意思決定の考えを体験を通して学び,次に,現実世界の数学的なモデリングへとうつる。
このケース・スタディの主要な目的は,子どもたちの統計的な感覚と批判的にデータを評価する能力を伸ばすことである。

数学的判断力

 データを批判的に解釈し,感覚的に述べられたことがらに対してその問題点を数学的論拠に基づいて指摘する。

数学的内容

<数と代数> 有理数の利用(その特質と異なった表現,比と比率,正確な用い方と概数での用い方)
<統計> データの扱い方,中心的な傾向をとらえること,実験的確率と理論的(数学的)確率

ICTの活用状況

 エクセルの使用。例えば,確率が一定であるのに実際にはいろいろな場合が起こり得る例を示したり,データを入れることで連動してグラフがかけるようになっていたりする。大変,単純な操作でできるようになっているが,これで意図したことが実現できるか否かは不明である。操作は単純であるが,それ故,批判的にデータを評価することが不十分になるようにも感じる。

コメント

 実際のメディアを取り出して問題場面を設定しているのはよいが,コンピュータを用いて体験する部分は効果が薄いと感じる。例えば,確率が一定であってもいろいろな場合が起こり得ることを体験する例でも,コンピュータに意図的にそのようにプログラムされていると考えれば「本当にこうなるのか?」という疑問は生まれる。一方,批判的にデータを評価するためには,小グループや全体で議論をすることが大切で,それがいろいろな場面で取り入れられていることは大変よいと感じる。
 全体的な意図には賛成であるが,今後さらなる改良が必要だろう。

(長尾篤志・文部科学省)

ダウンロード

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▼ パッケージのご利用方法
ダウンロードしたZIPファイルを選択し右クリック。
「すべて展開」で解凍後,フォルダ内にある「start.htm」をダブルクリックで起動してください。

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